軽油の代替燃料「バイオディーゼル燃料(BDF)」とは?

低炭素・脱炭素が求められる中、物流を支えるトラックももちろん例外ではありません。EVトラックが国内の各トラックメーカーから発売開始されたり、燃料電池や水素エンジンについても研究が進んでいます。そのような中で、前回取り上げたバイオ燃料で軽油の代替と言われる「バイオディーゼル燃料(BDF)」も注目を集めています。

バイオディーゼル燃料とは?

バイオディーゼル燃料(BDF)とは、ディーゼルエンジン用の軽油代替燃料のことであり、BDFは、Bio Diesel Fuel「バイオ・ディーゼル・フューエル」の頭文字を取った略語です。軽油代替燃料のため、トラックだけでなく、重機や発電機、ボイラー等でも使用することができます。軽油と同程度の動粘度であり、発熱量も軽油に若干劣る程度です。

バイオディーゼル燃料は、飲食店やコンビニエンスストア等の施設や、家庭から出る使用済みのてんぷら油等の廃食用油を原料として、メタノールと化学反応させて製造します。捨てられる油を回収し、燃料として使用するため、循環型社会の実現に寄与しています。

バイオディーゼル燃料のメリット

・CO2排出量の削減

バイオディーゼル燃料は軽油との混合比率によって呼び方が変わります。軽油に5%のBDFを混合させるとB5、10%だとB10といったように呼ばれることが一般的で、軽油と混合させないBDFはB100と呼ばれます。B100だとカーボンニュートラルな燃料であるといえます。混合するBDFの割合によって、CO2削減率も変わってきます。

・廃棄物の削減

上述の通り、廃食用油を原料としているため、廃棄物の削減につながります。使用済み油は、これまで焼却炉で処理されたり、生活排水として流されていたため、河川・下水への負荷の低減や焼却ごみの削減に役立っています。

バイオディーゼル燃料の課題

・B100をトラックで利用するとトラブルが多い

B100での使用は、新型ディーゼル車(コモンレール式)の場合、DPFの詰まりが発生しやすくなるなどのトラブルが多いため、B5の使用が主体となってきます。

・コストが高い

軽油と比較すると価格が高いことが大きな課題としてあります。要因としては、BDFと軽油の混合するための費用が発生することや、B5でBDFの部分(5%)にも軽油引取税がかかることがあげられます。

まとめ

バイオディーゼル燃料(BDF)は、軽油の代替燃料として今後の普及が期待されています。原料となる廃食用油には限りがあるため、各家庭において使用済み油の回収に協力することも必要なアクションといえるでしょう。

また、トラックにおいてのCO2削減は、BDFだけでなく、EVトラック等複数の選択肢があるため、それぞれのメリット、デメリットを踏まえて検討していくことが重要です。今後も、低炭素・脱炭素に寄与するエネルギーや商材等の情報を取り上げていきます!

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文:エネルギー事業部 営業戦略課  髙野 龍太郎