高騰する電気料金と効果的な電気代削減対策

企業にとって、電気料金の高騰が大きな負担になりつつあります。今後の電気料金の見通しと、企業が行える電気代削減のためのさまざまな方策とあわせて、投資回収が容易な最新のデマンド値制御対策システムを解説します。




電気料金高騰の要因と今後の見通し

昨今の電気料金の値上がりは、国内外のさまざまな要因が重なって起きています。

日本の国内電源の70%強は火力発電でまかなわれています。そのため、液化天然ガス(LNG)や石油・石炭を輸入に頼る日本は化石燃料の高騰の影響を強く受けます。ロシアの侵攻によるウクライナ危機を背景に、EUはロシアの液化天然ガスを輸入禁止にし化石燃料が高騰しました。

加えて、コロナ禍の収束により世界経済が回復に向かい始め、エネルギー調達が活発化していることも、この傾向に拍車をかける要因となっています。

また、クリーンエネルギー推進を目的とする再エネ賦課金は、経済産業省が毎年課金額を決めていますが、制度が終了する2030年まで上昇が継続するものと見られています。

電気料金高騰の背景にあるこれらの要因が、近い将来に解消していく見通しは残念ながらたっていません。さらには、中東情勢などの国際的な不安定要因や円安傾向もあり、電気料金の高値は今後も続く可能性があります。


電気代削減のための対応策あれこれ

このような情勢のなか、自己防衛策として企業でできる電気代の削減方法をいくつかご紹介します。

LED照明の利用

長寿命なLED電球は発光効率に優れており、電気代を蛍光灯の1/2、白熱球の1/6に抑えることができます。

OA機器のスリープモード

パソコンやプリンターなどは、起動とシャットダウンに最も電力を使います。スリープモードを積極的に活用することで、常時電源ONに比べ、大幅な節電になります。

残業・休日出勤の見直し

一人や少人数での残業や休日出勤は、照明、空調、機器の電気の非効率的な無駄遣いになります。業務効率化、ワーク・ライフ・バランスを見直すきっかけにもなります。

電力会社の見直し

電力自由化により、どこから電力を買うか選ぶことができます。自社にあった料金プランを大手・新規の電力会社を含めて検討するのもひとつの方法です。

自家発電の検討

自家発電装置を導入して、自前の電力を使用するやり方もあります。太陽光発電などには補助金や税制優遇もあり、余った電力は電力会社に売却も可能です。

PPAの導入

PPA事業者と契約することで、太陽光発電設備を自社の屋根や敷地に負担ゼロで設置。発電された電力をPPA事業者から購入するシステムです。※PPA(Power Purchase Agreement)電力販売契約

最大デマンド値を意識

デマンド値とは、30分間単位の電気の平均使用量の値です。企業の電気料金の基本料金は、1年間のなかで最も高かったデマンド値が基準となり算出されます。つまり、1年間のうち特定の30分間だけ電気を使い過ぎた場合、その使用量の掛け算で年間の基本料金が決まってしまうシステムになっています。したがって、短時間での電力の集中的な使用に気を配ることが必要になってきます。


費用対効果の高い、デマンド値の制御による対策

デマンド値の監視・管理が、企業における電気代の節減にとって重要であることに前の章で触れました。

しかし、デマンド値の監視・管理にはさまざまな問題点があります。表示器を目で直接確認する、あるいはアラームやメールなどで通知するデマンド監視装置では、人の手で使用中の電気機器の調整や操作を行わなければならず、本来の業務を妨げかねない作業が必要になります。

一方、自動でデマンドを監視し電気機器を制御するデマンドコントローラーでは、上記の非効率な作業はありません。しかし、導入費用が高額なことと、有線で結ぶため既存の工場や社屋での設置ではハードルが高くなってしまいます。

このような、従来のデマンド監視・管理の問題点を解決するのが「エレワイズ」です。空調(エアコン)の室外機を無線で自動制御し、ピーク電力を抑えることができるシステムで、従来のデマンド監視装置の手間やデマンドコントローラーの導入費用の高さを解消します。無線を使うため既存の施設での導入も容易です。

エアコンに着目した理由は、最大デマンド値が発生するのは夏場か冬場で、その原因がエアコンの使用によるものだからです。

実は各メーカーのエアコンには消費電力を抑えるための機能が最初から搭載されており、「エレワイズ」ではこれらを利用して快適な温度や屋内環境を維持したままでピーク電力の抑制に成功しています。また、複数のメーカーの室外機が混在する環境でも一元管理を可能にしています。

「エレワイズ」導入による年間の削減効果として、次のような実績が報告されており、投資回収効率のよいシステムであることがわかります。


施設/削減電力/設備投資額/年間削減額

・工場/123Kw削減/320万円/296万円

・病院/45Kw削減/118万円/58万円

・庁舎/89Kw削減/316万円/138万円

・学校/56Kw削減/210万円/90万円

・ホームセンター/108Kw削減/130万円/194万円

・娯楽/80Kw削減/137万円/148万円


電気代削減における留意点

働き方改革やSDGsの進展とあいまって、快適な労働環境が企業価値の重要な要素と考えられる時代になってきました。

今回のテーマである電気代の削減においても、エアコンや照明などの制限によって快適な業務の遂行や健康に影響がでるような事態は生産性をおおきく損なってしまいます。

従業員の健康・快適さを最優先に節電対策を進めていくことが大切です。




まとめ

電気代が高騰するなかで、企業がとれる対策、そのなかでも投資回収が容易で費用対効果が高いシステム「エレワイズ」の導入が、電気代の削減に貢献する可能性を見てきました。

株式会社新出光では「エレワイズ」をはじめ、さまざまなサービス・ソリューションを提供しています。

コスト削減やCO2削減などでお悩みの方は、ぜひご相談ください。



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