近年、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量削減と電力の安定供給という、二つの課題が、ますます重要視されています。
まず、環境負荷の低減については、地球温暖化対策として火力発電への依存を減らし、二酸化炭素排出量を削減することが急務です。省エネ性能の高い機器の利用や、蓄電池の導入、再生可能エネルギーの積極的な活用が求められています。
次に、電力の安定供給については、再生可能エネルギーの導入が進む一方で、太陽光発電や風力発電は天候に左右されやすく、発電量が不安定になるという課題があります。
電気が安定して供給されないと、私たちの生活や経済活動に大きな影響が出てしまいます。
そこで、電力の安定供給のためには、需要と供給のバランスを保つ必要があります。
そのために有効な手段の一つが、デマンドレスポンスです。
これは、電力需要を調整するための仕組みで、電力の使用状況を監視し、電力需要が高い時間帯に需要を減らすように促すことで、電力の安定供給に貢献します。

デマンドレスポンス(DR)とは?
デマンドレスポンス(DR)は、需要家が電力会社からの依頼に応じて、負荷設備の停止や台数削減、発電機や蓄電池の稼働などによって、電力の使用量を減らす仕組みです。具体的には、アグリゲーターから依頼があった際に、対象となる需要家が3時間以内に50kW以上の電力を削減することで、インセンティブが支払われます。年間最大12回の依頼があり、平日の9時から20時が発動対象期間です。※アグリデーターとは・・電力市場や電力系統にサービスを提供する事業者のことです。

燃料費とペナルティについて
DRに参加するにあたって、燃料費とペナルティについても理解しておくことが重要です。
燃料費:発電機を使用した場合、燃料費の一部が報酬に上乗せされます。燃料費単価はお客様との協議で決定され、削減された電気代(従量料金+燃料費+再エネ賦課金)を差し引いた金額が支払われます。
ペナルティ:DRに協力できなかった場合、ペナルティが発生します。これは、年間基本料金の一部が未達成量に応じて減額されるというものです。
デマンドレスポンス参加の注意点
DRに参加するにあたっては、以下の点にご注意ください。
非常用発電機は対象外: 防災用として設置が義務付けられている非常用発電機は対象外です。保安用発電機は対象となります。
負荷率の高い需要家が有利: DRは、夕方の負荷が高い需要家の方が効果を発揮しやすいため、負荷率が高い需要家に向いています。 実効性テストの重要性: DR参加には、事前に実効性テスト(確認のためのテスト)があり、それに合格する必要があります。
まとめ:電力コスト削減と持続可能な社会への貢献を!
DRサービスは、電力コスト削減だけでなく、電力需給の安定化や環境負荷の低減にも貢献できる、持続可能な社会を実現するための重要な取り組みです。この機会に、DRへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
デマンドレスポンスの資料ダウンロードはこちら
新出光ではデマンドレスポンスに参加の企業様を募集しております。
ぜひお気軽にご相談ください。
デマンドレスポンスについて問い合わせてみる!
イデックス産業エネルギー https://ene.idex.co.jp/
文:エネルギー事業部 産業エネルギー課 インサイドセールスチーム